回路図(2)
今回は(2)の回路です。回路図(2)の目的は電源と各信号の切り替えが主な目的です。今回は切り替え選択信号の生成回路部分(T-FF)です。
赤枠が発振回路、緑枠がT-FF回路(分周回路)です。
無安定マルチバイブレータ回路
(2)の回路左はPNP版の無安定マルチバイブレータ回路とAND回路の一部を実装しています。PNPトランジスタを負電源で駆動しています。そのため、わかりやすいように、上側に-22Vを書いています。これは慣れていないため、初めて見ると少し戸惑います。上2つのトランジスタが発振回路を構成しています。一方、下3のトランジスタはAND回路実装用です。発振周波数は以下のサイトを参考に
$$ f = \frac{1}{2\log{2}CR} = \frac{1}{2\ln{2}\times 0.05\rm{u} \times 20\rm{k}}=14.42 \rm{kHz}$$
です。この周波数が基準となってコートとボール、ネットの切り替えを制御する信号が生成されます。
出力は各エミッタに抵抗が接続されているので、エミッタから取り出すことができます。なお、この発振回路は相補出力が得られます。
分周回路
さて、ボール、コート、ネットの3つを切り替える必要があるので、2進数では2桁(2bit)必要なことになります。したがって、分周回路が必要になります。前項で発振回路を説明したので、発振回路で生成したクロックを分周します。右側が分周回路になっています。
T-FF回路は次の回路が基本回路ですね。双安定状態を構成しておき、パルスによって安定状態が反転します。
ポイントは、直列に接続されているコンデンサとダイオードです。これによって、微分回路を構成し、パルスがベースに注入されます。このとき、ベースの電位が低いほうに多くの電流が流れます。したがって、右側のトランジスタがHIGH状態であれば、LOW状態に引き下げ、左側のトランジスタがHIGH状態になります。したがって、パルスの立ち上がり周期で状態が変化するのでT-FFが実現されています。
出力は発振回路同様にエミッタから得られます。相補出力が得られる点も同じです。
文章で書くとあっという間なのですが、細かく確認すると部品の定数が非常に重要です。これはカットアンドトライで確定するしかないでしょう。
次回に続きます。
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