Tennis For Twoを読み解いてみる(0)

製作

面白いもの?を見つけました

世界初のコンピュータゲームと言われているものには、Tennis for Twoというゲームがあります。こいつを、再現してみることにしました。オリジナルにある特徴は残しつつ、作りやすさを優先します。こういう、ゲームは結構好きです。

Tennis For Two

何を言われようがテニスゲームです。2023年からみたらゲームなのかというレベルですが。。。

1958年の当時としては画期的なものだったようです。ウィリアム・ヒギンボーサム博士によって作られたとされています。

Tennis for Two - Wikipedia

特に、次の点が世界初のゲームと言われるゆえんです。

「不特定多数の人に遊ばれた」

「遊んだ人も大いに楽しんだ」

ブラウン管表示を使う」

「リアルタイムインタラクティブ性のある」

つまり、コンピュータとCRTを遊興のために使い、ゲームとプレイヤーとの協調性を兼ね備えていたというところがポイントになりますね。大いに楽しんだというところが素晴らしいですね。今の感覚でいうと、VRが研究所で初めて遊べるといったところでしょうか?

画面はこんな感じです。

ぱっと見でもなんとなくテニスだとわかりそうです。(ホントかぁ?)ボール、コート、ネットで構成されています。動画をみるとわかりますが、ネット、コートでの反発も再現されています。当時は実験用のオシロスコープに表示していたようです。システムとしては、弾道計算用のアナログコンピュータとリレーを利用し作られています。

操作は可変抵抗とスイッチだけです。

使用する操作装置はボタン1(ゲームリセット)、つまみ(ボールの落下する放物線角度を変える)、ボタン2(打ち返す)でけです。ラリーの打ち返し、ネット、コートのバウンドが再現されています。ボタン1は別の場所にあるのかな?

回路図

wikipediaに当時の回路図がありました。1958年当時はすでにトランジスタがある程度実用化され、普及し始めていた時期になります。ただし、生産の都合によりPNPトランジスタが主流だったようですね。2枚目の回路図にはPNPトランジスタが複数入っています。発振回路と水平・垂直の切り替えに使用しています。まだ、真空管には信頼性と品質の面では劣っていたのでしょうか?

たった2枚の回路図に収まります。

2枚目になります。

この回路図を見たときに驚きましたね。動画の動作がたったこれだけの回路で実現できると思えませんでした。ディジタル回路にずっと親しんできた身としては、アナログ回路の素晴らしさに驚かされたという感じです。

全体的な構成としては大雑把に次のブロックに分かれます。

  1. ボールの軌道計算
  2. ネット当たり判定
  3. コート当たり判定
  4. ラリー処理
  5. ボール・ネット・コート表示切替

上記に分けて説明していきます。リレーの特性が不明なので、正確には電圧の基準がわかりません。

また、回路図上にいくつのミスがあります。

I also find that Bob has a few relay contacts in the wrong positions. The game worked beautifully, so he must have fixed them in the actual circuit.

https://www.bnl.gov/about/docs/higinbotham_deposition.pdf

こちらの記録によると、リレーの接続にいくつかのミスがあり、実際の回路を修正して動作させたとあります。回路の動作を確認しても、どうもおかしいところがいくつかあるので正しい回路を想像しながら説明します。

次回に続きます。

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